去年の秋、先輩が自殺した。
最期に私に会って、悩みを打ち明けて、そのまま。
闇の中で色を失うことがどれほどのことなのか。
光が見えない恐怖がどんなものなのか。
その闇に耐えられずに死を選んだ時、一体どんな気持ちだったのか。
どうして最期に私に会いにきたのだろう。
どんなに考えたってもう誰にも何もわからない。
あの時こうしていれば、
あの時こうしていれば、
あの時こうしていれば、
そんなことをいくら思ってももう何もかわらない。
彼を失った悲しみは計り知れないし、
後悔をしたらきりがないけれど。
それでも最期に私に会いにきてくれたってことは
彼の中で私は少しでも安心できる温かい場所であったんだね。
やさしいですねって言って見せたあの笑顔とか、
私には幸せになってもらいたいっていうあの言葉。
最後に手を振ってさよならしたあの後ろ姿とか、全部忘れたくない。
ただひとつ言えることは、
私は彼と出逢うことができて本当に良かったってこと。
人が亡くなること。自ら命を断つということ。
それがどんなに残酷なものか、初めて思い知った。
まだ気持ちの整理がつかないでいる。